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コラム・豆知識~形成外科 編

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耳介(じかい)の先天性異常

耳介というのは、ふつう外から見えている部分の耳のことをいいます。外耳道を含まない、普通一般にいう「耳」です。この耳介は形が複雑なため、いろいろな変形のでてくる部分でもあります。また、どこまでが正常で、どこからが異常なのかがあいまいな場所でもあります。たとえば、大きな耳たぶは日本では福耳などといって喜ばれていますが、欧米では異常なものとされます。またその逆の場合もあります。一般的に、日本では欧米に比べて、よほど大きな変形でなければ気にされないことが多いようです。

耳介の変形といっても、軽いものからほとんど耳介のないものまでいろいろな程度があります。よく見られるのが副耳といって耳の穴の前方に小さな突起のある人がいます。突起の形や大きさはいろいろありますが、中に軟骨が入っています。治療は中の軟骨ごと切除することです。また、耳瘻孔といって耳介の前方や耳介そのものに小さな穴のあいている人がいます。そのまま放っておいてもよいのですが、化膿したりすることもあるので、化膿を繰り返す場合には切除します。

その他、主な変形を列記すると、埋没耳(耳介の上半分が皮膚の下に埋まっているもの。耳介を手で引っ張ると耳介全体が現れますが、放すとまた皮膚の下に入ってしまいます。)立ち耳(耳介が著しく立っている状態。そのために耳介の中のしわもなくなっています。)貝殻耳(耳介周囲の堤防状の部分がなく、貝殻のようにつるんとした耳のことです。)折れ耳(耳介の上部が前の方に折れ曲がったもの)カップ状耳(耳介全体が丸まってコップのように見えるもの。)耳垂裂(耳たぶに亀裂の入ったもの。)小耳症(耳介がほとんどないものから、耳介全体が少し小さいものまで程度はいろいろあります。耳介がほとんどないものでは、耳介を作らなくてはならないため数回の手術が必要になります。)

出生したばかりの新生児では60%に何らかの耳介の変形がみられるといわれています。その後放置しておいても大部分は自然に治ってしまいます。新生児、乳児の耳介軟骨は非常に柔らかいため、軽い変形があっても矯正などで自然に治ってしまうこともあり、また、逆に出生時は正常でも寝癖などで変形してしまうこともあります。

 

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